2022年秋。2020年にキリスト教界隈(カトリック)に爆誕参戦された作家:清涼院流水先生の「日本のキリスト教会はもっと情報を開示したらいいのではないか」という言葉に心を動かされこの記事をしたためる(いのりフェスティバル2022年オンライン配信より)。
※この記事を書いている人間は2022年春に「ミステリ音痴」を自覚したばかりであり、清涼院流水先生のことを存じ上げたのは『ミステリはもう読まない』と決めた矢先の出来事であった…。先生の書籍はまだ未読なので落ち着いたら「コズミック」を読みたい。
目次
前提:360度ストリートビューはGoogleだけではない
先にお伝えしておきます。「360度ビュー」というのを『インターネット上に掲載する方法』はいくつかあります。
Googleマップはその選択肢のひとつにすぎません。ウェブサイトにだけ掲載して、ウェブサイトを訪問してくださった方にだけ360度ビューをお見せできるようにすることもできます。
しかし、マップサービス…なかでもシェア率の高いGoogleマップの情報を拡充するということは「その施設に縁の薄い人の『ファーストビュー』に訴えかける確率を高める」ことになります。なので、最近の飲食店や病院などはGoogleマップ情報の拡充に力を注ぐことが少なくありません。
(業者はこういうのをMEOとかなんとか呼びますが、これはいわゆるマーケティングの業界用語なので、インターネットマーケティングに身を沈める必要のない方は知らなくていい用語だと個人的には考えています。)
Googleマップに建物内部の情報をUPするということです。多くの方の目に触れる機会を増やすという事で、それにはもちろんメリットもデメリットもあります。
→情報開示によって得られる様々なメリット。詳細はこういう業者さんの口上が参考になるかと思います。
(※)「Googleマップ」は、さまざまあるマップサービスの中で7割くらいのシェア率と言われている。←2017年くらいのデータだった気がする。気になる方はご自分で調べてほしい。もちろんマップサービスごとに力を入れてもOKであるが、体力がないならまずはGoogleマップを、というのが現状だと私は考える。
→無料で快適なシステムが使える
(※)これはGoogleストリートビューの話になる。いろいろなストリートビューのサービスを見て回ったが、やっぱりGoogleのストリートビューは快適である。他のサービスだと「あれ?いまここどこ?」と迷子になるものなどがけっこうあった。
→「盗難や暴行を目的とした人間に、楽に下見をさせる」ことではある。
UPする場合、人・表札・車のナンバープレート・高価な機材などが映っていたらモザイク処理などを施すことが必須ではある(業者に頼んだらこのへんはしてくれるだろうし、LampMateへの依頼してくださった場合でもそれは行う)。
防犯カメラの設置などで対策できることもあるとは思うが、盗難があった場合、盗難されたものが返ってくるとは限らないし、その対処には何かしらのリソースを割く必要があるわけだし、暴行や傷害目的での侵入者がいた場合、同敷地内に居住している人間に起きたできごとに取りかえしがつくのかどうか、というのは、何かが起きた時には第三者の手には届かない問題になっているだろう。
【余談】
筆者の生家は、人口約2万6千人、世帯数1万に満たないくらいの規模の町にあった仏教のお寺でしたが、筆者がそこで生活している期間(約25年/平成1年~平成25年の記憶)に起きた盗難事件は2件でした(賽銭箱の持ち出し&中身の窃盗)。
寺なので、もちろん教会よりは建造物の構造的に「開けて」います。盗難には景気も関わっていると思いますし、人間というのがこの世界で生きる限りにおいて究極的に善にもならず悪にもならない存在であると多くのキリスト教徒はそういう人間観を持っていると認識していますが、また仮にキリスト教徒であっても人間には『魔が差す』ということが現実問題としてありうる、ということなどを考えると、寺と教会のドロボウの入り具合というのを比べられることではないと思いますが、一応の体験談としてお伝えしておきます。
この件数の報告の解釈はまさしく「どう判断するかは、あなた次第です」案件という事になると思います。
(ちなみに、1回は賽銭箱ごとなくなっておりその後見つからず、2回目は近くの森に打ち捨てられていたように記憶しています。事件以来、賽銭箱の中身は毎夕祖母が回収するようになりましたので、2件目の窃盗は「賽銭箱持ち出したはいいが、中身はなかった」のではないかと思います。)
【余談②】
筆者の生家は仏教の寺院だったワケですが、お遍路さんなどがさかんな地域だったこともあり、「軒先で寝させてくれ」という訪問者もちらほらいました。その中にはお遍路さんではなくってあきらかにホームレス的な方もいらしたと思います。
そういう時、祖父母や親は毎回なんとなく嫌な顔をして、そして私たち子どもに向かって『今日は庭先に出られんでよ』とやんわりと言っていたように記憶しています。祖父に関しては犬をけしかけていたこともあったくらいでした。
生意気な子どもだった私は、祖父母や親のそういう態度に「寺のくせにそういう排他的な態度ってどうなん…」と思っていましたが、今、もし自分に子どもがいて、自分の生活空間にそういう方がいらしたら、やっぱり少なくとも子どもは遠ざけるだろうなと思います。だからやっぱり真言宗の僧侶が妻帯するのはおかしいんだって…とか言い出すと別の問題になってくるのでここでは深入りしませんが(問題の根は他にもあるでしょうし)。
教会には同じ敷地内に牧師の家族も住んでいる場合がありますし、そこをオープンにするのは、最悪のケースにつながらないと言えないわけではないと思います。
(建造物内部の情報をオープンにしなければ安全が保証されるワケでもありませんが…)
この時代の宗教施設がどうあるべきなのか、私にはわかりません。共同体でよく話し合い、祈って示された場合に、ここに記している情報が役に立てば幸いです。
このように縁もゆかりもないウェブサイトに埋め込むことも可能で、それは誰かの世界を広げるかもしれないし、誰かの世界を奪うことに繋がるのかもしれません。そのすべてのわざを私たちは見極めることはできないのでしょう。
…ということで、そういう場合は「ウェブサイトにだけ360度ビューを埋め込む」という選択肢もあることを申し添えておきたいと思います。
ウェブサイトのレイアウトに悩むことなく、新来館者や教会堂利用を検討している人の心理的ハードルを低くすることができる!
この記事では、「Googleマップのみ360度ビュー掲載がある」「Googleマップ+ウェブサイトにも掲載がある」「ウェブサイトにのみ掲載がある」おもに3パターンを紹介します。
お一人おひとりの営みの上に、神様の守りと祝福がありますように。
GoogleにもUPしているし、ウェブサイトにも反映している
GoogleマップにもUPしていて、ウェブサイトにも反映させている、両方使いのスタイルの教会を紹介します
小郡カトリック教会(福岡県)
Googleへのアップロードは「九州テレビ」アカウントが行っているようです。経緯や関係性は不明ですが、小郡カトリック教会公式ウェブサイトにも掲載されていますので、写真の掲載自体は公認という理解で問題ないでしょう。
小郡カトリック教会公式ウェブサイトには動画や各部屋の360度ビューが埋め込まれていて、非常に勉強になるレイアウトです。こういう見せ方があったか…
更生教会(東京都中野区/プロテスタント)★LampMateがお手伝いしました
こちらはGoogleストリートビュー&Googleスリートビューをウェブサイトにも掲載(WordPress/ワードプレス)しています。
→更生教会ウェブサイト(公開準備中)
生望バプテスト教会(鹿児島県/プロテスタント)
Googleストリートビュー&ウェブサイト(ホームページ)(Wix)に埋め込みの360度ビューです。
→生望バプテスト教会ウェブサイト(教会堂の貸し出しページ/360度ビュー独立ページ(お知らせ掲載的なページ?)/住所のページ/
Googleマップには投稿されている
教会員さんがUPしているのかもしれないし、単なる行きずりのユーザーさんがUPしている可能性もあります。
※「行きずりの人がUPしてくれていたから、教会公式ウェブサイトにも反映させちゃお」という挙動をする教会はあんまりない気がする、という想像で話しています。
カトリック下井草教会(東京都杉並区)
教会の管理下でのアップロードではなさそうです。ユーザーさんか、教会員の方かは不明です。ウェブサイトに反映されてはいません(2022年10月時点)。
カトリック渋谷教会(東京都渋谷区)
これも教会の管理下でのアップロードではなさそうな気がします。(ふだんの教会というよりご葬儀の際の礼拝堂なので…)
ウェブサイトには反映されてないっぽいです。
戸山教会附属戸山幼稚園(東京都渋谷区)
「miraiz株式会社」アカウントでの投稿となっています。業者さんに依頼して投稿してもらったパターンのようですね。ウェブサイトには反映させてないようです。
Googleではないストリートビュー機能を使って、360度ビューをウェブサイト掲載しているor されている教会
「この教会どんなかな?」と思ってくださった方にだけ、中の様子をお伝えしたい
という感じの需要には、この方法が現状一番いいのかなと思います。ただし、WordPress(ワードプレス)でそれを行う場合はだいたいの場合有料プラグインを使うことになると思います。もしくは他のウェブサイトサービスでも、有料プランはまぬがれられないような気がします。
鶴ヶ島聖書教会(埼玉県/プロテスタント)★LampMateがお手伝いしました
→鶴ヶ島聖書教会公式ウェブサイト
こちらは私たちがお手伝いさせていただきました。Googleマップのサービスは利用しないので、このように関係のないウェブサイトに埋め込むことができません。しかし何かのきっかけで「鶴ヶ島聖書教会」で検索された方には、このように館内の様子をお伝えすることができます。
五所神社(神奈川県/神社)
こちらは教会ではないですが、有料のしっかりしたサービスを利用しているので紹介します。ぜひウェブサイトまで行ってお確かめください。
ウェブサイトに埋め込む場合は、こういう仕様にできるのというメリットがあります(ただしこれは有料の機能を利用しているので、業者さんにお金をかけているか有料プラグインにお金をかけているか…いずれかの対価は払っているはずです)
イエスの御霊教会
キリスト教系新宗教と認識されているであろう「イエスの御霊教会(京都)」にも360度ビューがありました。埋め込んでいるわけでなくてURLから先に飛ばなくてはならず、ちょっと不便な気もしますが、こういう掲載があることがすごい…と思ったので紹介します。
Googleだろうがなかろうが、教会ホームページのどこに埋め込むか問題
たとえば、「生望バプテスト教会」さんくらい各所にいれておくのが理想的なんじゃないかなぁ…と思いました。
→生望バプテスト教会ウェブサイト(教会堂の貸し出しページ/360度ビュー独立ページ(お知らせ掲載的なページ?)/住所のページ/
さほど場所をとらないのでトップページに埋め込むのも悪くないと思います。やっぱりデザインに悩まなくて済むので、そういう意味で非常に楽だなと思います。
出張撮影いたします。(対応エリア:東京を中心に)
LampMateへ依頼をご検討の場合は、詳細をこちらの記事にまとめています。御覧ください。
私たちが使用しているカメラ紹介
▽使用カメラ
▽スタンドはあったほうがいいと思う。ただし…
360度カメラで撮影するならばスタンドは必須ですが、私たちがじっさい使っているのは別ブランドのもっと安い製品(3500円くらい)です。ただ、その組み合わせがうまく行ったかと言うとそうでもないので、ここで紹介するのはカメラに対しての純正品のスタンドといたします…。
→【参考】360度カメラをスタンドなしで使うとどうなるか
今後の展望&希望
その① 礼拝堂の解説がほしい…!(オタク向け)
https://www.oosaki-hachiman.or.jp/event/index_vr.html
このように、360ビュー自体に「映っている対象の解説」が展開できるサービスがあります。正教会・カトリック・聖公会の礼拝堂について知りたいオタクは山ほどいる(※)のに、実際調べてみるとけっこう知るのが難しい&「じゃあ行こうか」と思ってもあんまりよくわからなくて心理的ハードルが激高だな、と思います。そういうのをUPしてくれる風潮が界隈にできるまでLampMateはがんばりたいと思います。
(※)…筆者の主観。Twitterで創作アカウントでも作って1年くらい眺めていたら感じると思うが、場合によっては「そう思わない」という方もいると思うので、解釈はお任せする。
その② キャンドルサービスとかの雰囲気を味わえる動画とかも身体性に訴えかけるカンジがしてよき(ライト層向け)
このように、「動画でありながら、ユーザーは360度ながめることができる」という動画も360度カメラを使用すると作ることができます。
(※スマホだと360度回す動作が出来ない可能性があります。PCなどで再生するか、YouTubeアプリからの再生をお願いします)
キャンドルサービス中の様子をこういった形でUPする…とかいいんじゃないか?などなど
(成人してから初めて「教会」なるものに縁ができた人間の意見として…キリスト教自体に縁を感じない段階で参加したキャンドルサービス/燭火礼拝は、忌憚なく「イイ」なぁと感じる時間でした。もっと『実際の様子』をシンプルに伝えることができたら来館者フルーに増えるのでは?と感じます。)
動画じゃダメなのか?という意見について…
これは悩ましいところですが、私自身はおのれが非常に「せっかち」であることを認識しており、
自分が気になったところを気になった時に確認したいんや!!
という気持ちが強い方だと思います。そんな人間にとっては360度ビューの方が助かります。スマートフォンに慣れた世代というのも自身が主導権を握って好きな速度で好きな箇所を見たりするのに慣れていると思うので、動画による館内紹介よりかは360度ビューに軍配があがるんではないでしょうか…。
ただし、世代間ギャップも必ずあると思うので、理想を言えばこの小郡カトリック教会さんのように両方掲載しちゃえば解決するのでは?とも思います。
掲載方法の詳細な解説はこちらへ
▽具体的な手法解説はこの記事
▽こういうリサーチもしました