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目次
アニョーパスカルとは
「アニョー〔Agneau〕 」→『子羊』
「パスカル〔Pscal〕」→『復活祭の』
フランス語でイースターをPâque(パック)と言う。
『十字架にかけられて死んだイエス・キリストが3日目に復活したことを記念し祝う』祭りである復活祭(イースター)の時期に、フランスのアルザス地方(フランス北西部・ドイツに国境を接した地方)でたくさん作られるお菓子です。
フランスのほかの地方のイースター菓子は卵型のチョコレートやケーキが定番のようですが、アルザス地方では羊モチーフのこのアニョー・パスカルが定番なんだとか。
同じく羊の形のイースター菓子にはスロバキア・チェコの「ベラーネック」というお菓子もあります!
日本語で検索すると、由来のひとつに「ユダヤ教が、過ぎ越しの祭りに子羊を食べていたことに由来」という説明を加えている記事も複数ありました。アルザス地方はドイツ領だったりフランス領だったりと歴史的にも複雑な地域のもようで、カトリックとプロテスタントもイロイロあったようで、現在ではイスラム教の存在感も大きい土地のようですが、じゃあその土地で作られているお菓子が直でユダヤ教に由来をたどれるとしたらどういった経緯なのかな?(誤謬説も可能性としてはあるとして)、このお菓子がいつごろどのような背景で産まれたのか、とても気になっています。文献などご存知の方いたら教えていただけると幸いです…。
(参考:「辻調グループ」「trait d’avion」「共立食品株式会社」各アニョー・パスカル頁,「世界の祝祭日とお菓子」p.21,「チェコ共和国大使館クックパッド」)
イースターのお菓子は国や地方によってたくさんあります。その一端がかいまみれるコラムも作ってみました!
\ハリストス復活!/
\\実に復活!//
お気に入りレシピ|共立食品ウェブサイト掲載のレシピ
イロイロ探したり挑戦したりした結果…共立食品さんのウェブサイトに書かれていたレシピが暫定1位で決定しましたッ!!!
【個人的ポイント】
・共立てじゃない
・油脂が入る
・卵黄もったりさせない
※掲載しているレシピの3倍で作りました。
※きび砂糖で作って少しでも味に奥行きが出るようにしました。
紆余曲折で、このレシピが今のトコロ一番おいしくできました…!現代日本人が食べなれてるケーキ生地よりはしっかりめの生地ではあるけれど…、食べてみると結構しっとりとして、口どけも良いです…。これはレモン皮の入らないレシピですが、他のレシピにならって入れてもよりおいしいと思います!
ということで、以下、私の失敗遍歴を公開していきます。その前にちょこっと「まだ作ってないけど、いけそうなレシピ」も紹介します。
補足:私は自分の作る共立てのスポンジ生地(ジェノワーズ)に納得したことがありません…!シフォンケーキとか別立てロールケーキなら自分でも満足いく仕上がりになるのに…ふつうのケーキだけは…どうしても納得いく仕上がりにならないんです…。
卵の泡立ての見極めや、粉を混ぜるときの見極めが下手なのかな…?と思います。だから大前提として『共立てではないレシピ』を探しました。
▼その辺動画にもしました!
挑戦してみたい:その①大森由紀子さんのレシピ
日本のフランス郷土菓子における御大とも呼ぶべきであろう大森由紀子さんのレシピ。メレンゲを作って黄身を後入れする作り方。この作り方に近い方法で作るケーキ生地はうまく作れるので…期待できるかも!油脂も入ってるし…いけるかも…!
挑戦してみたい:その②「ベラーネック(チェコ共和国)」のレシピ
これもメレンゲを作って黄身を後入れする作り方。この作り方に近い方法で作るケーキ生地はうまく作れるので…期待できるかも!しかも卵黄多めだし油脂も入ってる。これは味も期待できそう…!!
やってみたい:その③「バタークリームデコレーション」
私はプロテスタントのキリスト教徒で、羊の形の菓子を作ることには情熱的にコミットできるが、西洋の伝統と文化を必ずしも受け継ぐ必要がない身の上なので…日本人向けに魔改造してもいいわな、と思う。
ということで、2Dケーキのような縁取りデコレーションであるとか、バタークリームなどのデコレーションなど挑戦してみるべきだと思っています!
やってみたい:その④ローマジパンを入れる
…動画探し中…
Shortsで流れてきた動画に「本来の生地が軽めなので、僕はもうすこしこってりさせるためにローマジパンを入れて焼き上げました」みたいなことを言ってはる人がいた…
レシピを公開しているかは不明。
でもその方向性アリだってことが判明して心強い。やってみたい。
失敗遍歴
▽動画にもまとめてみました
私には難易度高かった&高いであろうレシピ
「世界の祝祭日のお菓子」p.21掲載レシピ。
別立てで、コーンスターチは入れるけど、油脂も牛乳も入らないせいか…もっきゅもきゅの、なんとも言えないビスキュイが焼きあがりました。水分少ないケーキが好きな人ならあるいは好きなのかもしれませんが…私には難易度高かったです。
辻調グループレシピ(「アニョーパスカル」レシピ頁)
※作ってはないです。
共立て、かつ油脂が入ってない、私にとっては地雷レシピ。
さすが調理学校のレシピ、顔周りの生地の詰め方などはしっかり解説されていて、売ったり人にプレゼントしたりするのを想定している場合に大事になってきそうな部分もスキがないです。
調理学校入学・出身の方たちくらいの腕前があればこのレシピも乗りこなせるかもしれないけど、たぶん現時点での私には無理です…。
ほか挑戦して課題アリだった生地
パウンドケーキ生地→パウンド型1個分じゃ少々足りなかった。倍だと多すぎるし…。1.5個分くらいならいいのかな…。
シフォンケーキ生地→やわらかすぎて自立せず。首も折れて散々。冷めるまで型を逆さにしておいておのもスペースとって大変だった。散々。
オートミールケーキ生地→オートミール粉と卵を混ぜ合わせて作るケーキ。生地がゆるいので型の隙間から漏れてとんでもなかった。
米粉バナナケーキ生地→バナナをつぶしてオイルや卵などをグルグル混ぜていくタイプのケーキ。これも生地がゆるく、型の隙間から漏れてとんでもなかった。
動画制作中…
アニョー・パスカルの型の入手方法~陶器型ならベラーネック型が欲しいかも…
~入手方法たぶんこんな感じ~
・楽天
・インターネットオークション(メルカリ,ヤフオクなど)
・アンティーク雑貨店(東京目黒区自由が丘「」,「」など)
・現地購入(フランス/チェコ共和国)
・かっぱ橋(東京,浅草)の「(有)𠮷田菓子道具店」さんでディスプレイされてるのを発見!(ウェブサイトには各大きさの写真がありますが、私が行ったときは一番大きなサイズしかディスプレイされていませんでした。お問い合わせしてから向かった方がいいと思われます)
私はメルカリを半年くらいウォッチして、金属系の型を入手しました。
ただ、じっさいに焼き上げてみて思ったのは…出費や保管場所が許すなら、陶器の型のほうがガラなどがハッキリ仕上がるんじゃないか…?? というコトです。

アルザス陶器(スフレンハイム) アニョパスカル アニョーパスカル 型 Agneau Pascal フランス 復活祭 イースター 羊 お菓子の型 伝統菓子 焼型
でもなぁ…陶器型はかさばるし、私の家は土釜も油断するとカビる家なので……高温多湿の日本で、春先にしか使わないお菓子型というのは…みなさんどうされてるんだろう…?思います。
そしてデザインの面だけで言うならチェコのベラーネック型が立体的でかわいくない…? とも思う私なので…
もし陶器型を入手できるとしたら…ベラーネック型を買いたい…かも。
▶アニョーパスカルの歴史的や文化背景について…(AIへ質問)
パープレキシティに質問しましたので取り急ぎコピペします。ご活用される方はソースとなっている各ウェブサイトをご確認のうえご判断ください。(パープレキシティは引用ソースを明確に引いてくるAIですが、時にはハルシネーションもあります。)
16世紀から続く伝統
アニョーパスカルの歴史は驚くほど古く、複数の資料によると16世紀にはすでに存在していたことが確認されています。特に注目すべき記録として、1519年に神学者トーマス・マーナー(Thomas Murner)の手紙に、男性が婚約者に「アニョーパスカル」を贈ったという記述が残されています238。
ただし、この当時のアニョーパスカルが現在のような羊型のお菓子だったのか、あるいは単に復活祭に食べる仔羊肉を指していたのかは明確ではありません8。いずれにせよ、500年以上もの間、このアニョーパスカルという言葉とその背後にある習慣は、アルザス地方の文化の一部として継承されてきました5。
生け贄の仔羊から菓子への変遷
歴史的資料によると、アルザス地方では復活祭の時に仔羊を領主へ贈る習慣があり、この慣習はフランス革命まで続いていました2。革命後も19世紀末までは、復活祭の日曜日に実際の仔羊を食べるという伝統がありました2。
時代の流れとともに、実際の仔羊は少しずつ「オステルラマラ(Oschterlammele)」と呼ばれる動物型のお菓子に置き換えられていきました2。これが現在私たちが知るアニョーパスカルの原型となり、アルザス地方ではこの伝統が現代まで大切に守られています。
羊の形で焼かれる背景
キリスト教における羊のシンボリズム
アニョーパスカルが羊の形をしている最も重要な理由は、キリスト教における羊のシンボリックな意味にあります。キリストは人々の罪をつぐなうために自らを犠牲にした「神の子羊」と呼ばれており、羊はキリスト教において特に重要なシンボルとされています1。
復活祭はイエス・キリストの死と復活を祝う最も重要な祭りですが、その際に羊型のお菓子を食べることは、キリストの犠牲と復活を象徴的に表現する行為となっています12。仔羊は、磔刑の時と復活祭の日に生き返ったキリストに捧げられた象徴として特別な意味を持っているのです2。
ユダヤ教の過越しの祭りとの関連
アニョーパスカルの起源はさらに遡り、ユダヤ教の「過ぎ越しの祭り」(ペサハ)における慣習にも関連しています。この祭りでは、いけにえとして子羊を捧げる習慣がありました9。キリスト教の復活祭は、このユダヤ教の祭りと時期的にも内容的にも深く関連しています。
アブラハムの物語との結びつき
また別の視点では、旧約聖書に登場するアブラハムの物語も背景にあるとされています。神がユダヤ人族の始祖アブラハムに、神への犠牲として自分の息子イサクを差し出すよう試したとき、アブラハムはそれに従いましたが、最終的に神の慈悲により、代わりに仔羊を犠牲として捧げることになったという物語です4。
この物語もまた、羊型のお菓子が復活祭に食べられる理由の一つとして理解されています。
四旬節と卵の関係
もう一つの興味深い背景として、復活祭前の「四旬節」(カレーム)の習慣があります。かつてのキリスト教社会では、復活祭前の40日間の四旬節の間、卵や肉などの摂取が厳しく禁じられていました3。
しかし、この間もニワトリは卵を産み続けるため、四旬節が終わった復活祭の時期には大量の卵が溜まっていました。そこで家庭の主婦やパン屋は、これらの卵を消費するために卵をたくさん使うアニョーパスカルなどのお菓子を作るようになったとされています3。こうして、節食の期間が終わったことを祝う意味でも、復活祭の日にはごちそうとして特別なお菓子が食べられるようになりました。
▶類似菓子について(AIに質問)
パープレキシティに質問しましたので取り急ぎコピペします。ご活用される方はソースとなっている各ウェブサイトをご確認のうえご判断ください。(パープレキシティは引用ソースを明確に引いてくるAIですが、時にはハルシネーションもあります。)
羊型ケーキが作られる地域と呼称
- フランス・アルザス地方
- ドイツ
- チェコ
- ポーランド
- イタリア
- スロバキア
- スロバキアでも羊型ケーキが作られますが、その詳細な呼称については明確な記録はありません3。
その他の特徴
- 羊型ケーキはヨーロッパ全域で広く作られており、それぞれの国で独自の名称や装飾方法があります。また、この伝統は宗教的象徴としての「神の子羊(Agnus Dei)」を表しており、イースターの重要な要素となっています910。
これらの情報により、あなたが挙げた「アニョーパスカル」「Osterlamm」「ベラーネック」に加え、アルザス地方の「Lamala」やポーランドの「Baranek wielkanocny」などもイースターに関連する羊型ケーキとして挙げられます。
【世界のイースター伝統菓子】欧州ヨーロッパ編21選~イギリス・ギリシャ・スウェーデンなど~